水環境保全のための生物学
須藤 隆一編著
小浜 暁子  稲森 悠平  徐 開欽  李 玉友  秋葉 道宏  金 主鉉  藤本 尚志  著
定価 5 040円(税込)/A5判270頁

目次詳細


第1章 水環境保全と用廃水の生物処理
1.1 わが国の水環境
1.2 水環境改善の必要性
1.2.1 窒素およびリン規制の強化
1.2.2 小規模排水対策の強化および未規制業種の特定施設化
1.2.3 非特定汚濁発生源の削減
1.3 水処理と水圏生態系の保全
1.4 環境基準と排水基準
1.5 用排水処理の意義と目標
1.6 生物処理とその特徴
1.6.1 生活排水の処理
1.6.2 生物処理の種類
1.6.3 生物処理開発の経緯と展望

第2章 生物の種類と機能
2.1 水環境に出現する生物
2.2 生物の定義
2.3 生物の分類体系
2.3.1 分類法
2.3.2 分類階級
2.3.3 二名法
2.3.4 五界説
2.4 原核生物と真核生物
2.4.1 原核生物
2.4.2 真核生物
2.5 生物の基本細胞構造・増殖方法・分類
2.5.1 細菌(Bacteria)
2.5.2 ウイルス(Virus)
2.5.3 菌類(Fungi)
2.5.4 藻類(Algae)
2.5.5 原生動物(Protozoa)
2.5.6 後生動物(Metazoa)
2.5.7 魚類(Piscformes)
2.5.8 水生植物(Aquatic plant Water plant)
2.6 生物の増殖と増殖におよぼす環境因子
2.6.1 生物の増殖
2.6.2 生物の増殖を支配する環境因子
2.7 生物の栄養
2.7.1 細菌
2.7.2 藻類
2.7.3 菌類
2.7.4 原生動物
2.7.5 後生動物
2.7.6 魚類
2.7.7 植物
2.8 有機物分解における微生物の機能

第3章 活性汚泥
3.1 処理プロセス
3.1.1 処理プロセスの基本
3.1.2 各種活性汚泥法
3.2 操作条件
3.2.1 MLSSとBOD負荷
3.2.2 返送汚泥量
3.2.3 汚泥容量指標
3.2.4 曝気槽の酸素濃度
3.2.5 汚泥発生量
3.2.6 汚泥平均滞留時間
3.2.7 温度とpH
3.2.8 窒素およびリン
3.3 浄化の原理
3.3.1 混合培養系
3.3.2 連続培養系
3.3.3 活性汚泥の食物関係と微生物現存量
3.3.4 微生物の代謝
3.4 活性汚泥の微生物
3.4.1 活性汚泥中の微生物量
3.4.2 細菌数
3.4.3 原生動物
3.4.4 微小後生動物
3.4.5 その他の微生物
3.5 固液分離しにくい活性汚泥
3.5.1 バルキング汚泥
3.5.2 上昇汚泥
3.5.3 腐敗汚泥
3.5.4 過曝気汚泥
3.5.5 浮上汚泥
3.5.6 分散増殖汚泥
3.5.7 解体汚泥
3.5.8 微細フロックの汚泥
3.6 活性汚泥の指標生物
3.6.1 活性汚泥性生物
3.6.2 非活性汚泥性生物
3.6.3 中間汚泥性生物
3.6.4 その他の指標生物
3.7 活性汚泥生物の動態
3.7.1 活性汚泥に生息する微生物の沈殿効果
3.7.2 糸状微生物を捕食する原生動物
3.7.3 原生動物の食物源
3.7.4 原生動物の増殖速度と収率




第4章 生物膜法
4.1 生物膜法の原理・特徴と処理プロセス
4.1.1 微生物付着法
4.1.2 包括固定化法
4.1.3 自己造粒法
4.2 生物膜法における有機物の酸化と硝化脱窒微生物
4.2.1 有機物酸化微生物
4.2.2 硝化脱窒微生物
4.2.3 硝化微生物の迅速評価
4.3 生物膜法における水質浄化と汚泥減量化に関わる微生物
4.3.1 微生物と食物連鎖との関係
4.3.2 微生物の増殖特性
4.3.3 微小動物の収率
4.3.4 微小動物と水質浄化
4.3.5 微小動物の異常増殖
4.3.6 水質浄化・汚泥の減量化の効率化
4.4 生物膜法における機能障害生物群と制御
4.4.1 生物膜処理の機能障害
4.4.2 生物膜処理における障害生物の種類
4.4.3 生物膜処理における障害生物の制御法
4.4.4 生物膜処理操作条件の適正化
4.5 生物膜におけるカビ臭原因微生物と制御
4.5.1 カビ臭原因微生物による障害
4.5.2 微生物のカビ臭分解特性
4.5.3 生物膜法によるカビ臭産生藻類の分解機構
4.6 生物膜法の高度化のための有用微生物の活用方策

第5章 嫌気性処理
5.1 嫌気性処理概説
5.1.1 嫌気性処理の長所
5.1.2 嫌気性処理の短所
5.2 嫌気性処理の微生物学
5.2.1 嫌気性処理における物質変換の概要
5.2.2 嫌気性処理に関わる細菌とその生化学
5.2.3 嫌気性生態系の反応解析と菌叢解析
5.3 嫌気性処理の化学量論と物質収支
5.3.3 バイオガス生成量
5.3.2 嫌気性処理に関する2相模式図と菌体収率
5.3.3 メタンへの最大転換率
5.3.4 律速段階と促進方法
5.4 嫌気性処理に関わる運転管理指標
5.4.1 排水・廃棄物の栄養バランス(COD/N/P)
5.4.2 攪拌と混合
5.4.3 重要な環境因子
5.4.4 ガス組成と硫化水素
5.4.5 滞留時間
5.4.6 微量金属の必要性
5.5 嫌気性処理プロセスとその応用
5.5.1 排水処理技術
5.5.2 固形有機性廃棄物の嫌気性処理とバイオガス生産
5.6 嫌気性バイオテクノロジーの新しい展開

第6章 浄水の生物学
6.1 病原性微生物(pathogenic organisms)
6.1.1 細菌
6.1.2 ウイルス
6.1.3 原虫 6.2 藍藻毒
6.2.1 有毒藍藻種と毒素の産生
6.2.2 浄水処理による除去
6.3 障害生物
6.3.1 障害藻類
6.3.2 異臭味障害
6.3.2 凝集沈殿処理障害
6.3.4 ろ過障害

第7章 生物による直接浄化
7.1 水域の直接浄化の意義
7.2 直接浄化法の概要
7.3 直接浄化の原理
7.3.1 河川における自浄作用
7.3.2 浄化に関わる生物と機能
7.3.3 付着生物相におよぼす充填材の影響
7.3.4 生物膜の活性
7.3.5 生物学的分解性
7.4 生物を活用した直接浄化法
7.4.1 生物膜浄化法
7.4.2 植物を利用した浄化法

第8章 閉鎖性水域の富栄養化
8.1 富栄養化現象
8.2 水の華(アオコ)および赤潮の原因生物
8.2.1 Microcystis属
8.2.2 Anabaena属
8.2.3 Oscillatoria属
8.2.4 Phormidium属
8.3 水域の富栄養化による障害
8.3.1 溶存酸素の低下
8.3.2 藍藻類による有毒物質の産生
8.3.3 水道水のカビ臭問題
8.3.4 浄水処理障害
8.3.5 景観およびレクリエーション
8.3.6 水産への被害
8.4 閉鎖性水域の環境
8.5 藻類の生息に影響をおよぼす環境因子
8.6 藻類の増殖と窒素・リンの関係
8.7 藍藻類の優占化
8.8 藍藻類の発生抑制対策
8.9 富栄養化におよぼす温暖化の影響